8それでは、次にTMSが起こる仕組みと好発部位(よく出る所)について紹介します。TMSでは痛みの直接的原因は、「血流不足による酸素欠乏」としています。 ストレスにより交感神経が興奮し、全身適応症候群が起こるのですが、 その際、副腎髄質からは大量のアドレナリンとノルアドレナリンと言う ホルモンが分泌されます。 これらのホルモンには心拍数や血圧を上昇させるだけでなく、 血管を収縮させ血流速度を速め、不必要な器官への血流を押さえ、 素早く筋肉に血液を供給する血管収縮作用が有ります。 ところが、ストレスが長引いて「疲はい期」の段階では、 いつまでも他の器官を犠牲にする訳にはいかなくなってきます。 生命を維持するために必要な器官にも血液を供給しなくてはなりません。 ですが、依然として慢性のストレスが加わっている場合は、 アドレナリンとノルアドレナリンの分泌はさらに続き、 その状態を維持する事から様々な弊害が出て来ます。 これが「血流不足による酸素欠乏状態」なのです。 簡単に言いますと “慢性的なストレスによって酸素の欠乏”が起こり、身体が虚血状態に成るのです。 その結果 *科学的老廃物の蓄積 この老廃物は主に乳酸と言う疲労・発痛物質で、通常は血液の循環により蓄積される 事は有りませんが、血流量が減少する事で筋肉内に蓄積され、筋肉痛を起こします。 *筋肉の痙攣(けいれん)・・・自律神経を介しての血管収縮の為長時間続きます 筋肉は血流量の減少で酸欠状態を起こしその結果痙攣を起こします。 これはこむら返りと同じものですが、自律神経を介して血管が収縮している為、 短期間では治まらず、たいていは数日間かかり、心因的な原因が有る場合では、 数週間、数カ月続く事も有ります。 *神経麻痺(まひ)・・・筋肉より神経の方が酸素欠乏に弱い 神経は筋肉より繊細な為、わずかな酸欠でも症状を出して危険を知らせます。 その神経の血流の減少は、腕の神経や坐骨神経の様な末梢神経の酸欠を起こします。 一般的な酸欠での症状は「痛み」ですがさらに酸素濃度が低下すると、さまざまな 知覚異常や、筋力低下等を引き起こします |